スラムダンク

【スラムダンク】新作映画(劇場版)の声優変更で炎上した理由とは

今回は『SLAM DUNK(スラムダンク)』の新作アニメ映画公開を記念して、湘北メンバーの声優が変更された理由、そして変更により多くのファンたちからの抗議によって炎上した理由について考察してみます。

『SLAM DUNK(スラムダンク)』とは

『SLAM DUNK(スラムダンク)』は1990年10月から1996年まで週刊少年ジャンプで連載された大人気バスケ漫画で、日本のバスケット人口を増加させることに貢献した伝説の作品です。
TVアニメも放送されていた頃は東映アニメフェアで『ドラゴンボールZ』などと同時上映される形で4本の劇場版も公開されました。

過去4作の劇場版は完全オリジナルストーリーとして描かれていましたが、2022年12月3日から公開される『THE FIRST SLAM DUNK』はTVアニメでは描かれずに終わった原作のインターハイ編(豊玉戦や山王戦)と予想されています。

『スラムダンク』の旧作と劇場版の声優一覧

ついに発表された新作劇場版の声優陣を旧作アニメの声優さん方と一緒に紹介します。

キャラ名 旧作の声優 劇場版の声優
桜木花道 草尾毅 木村昴
流川楓 緑川光 神尾晋一郎
赤木剛憲 梁田清之 三宅健太
宮城リョータ 塩屋翼 仲村宗悟
三井寿 置鮎龍太郎 笠間淳

公開からあと1ヶ月を切った中でついに発表された新たな声優陣ですが、完全に一新されましたね。

声優変更で炎上した本当の理由は発表時期に問題があった?

11月4日にYou Tubeで放送された特番の中で桜木花道たちの新たな声優さんたちが発表されました。

しかし、このキャスト一新に対して抗議するファンたちによりTwitter内が炎上していました。
ただ、単に声優陣を変更しただけでここまで炎上するのは珍しい・・・というより初めてのケースではないでしょうか?
そこで炎上した本当の理由について考察してみました。

1番の問題点は発表時期が遅すぎたため

声優の変更で強く抗議するファンも多いですが、単に変更に対して怒っているだけではありません。
Twitter内で仰る方も多いように変更そのものではなく「声優変更の発表があまりにも遅すぎたことが1番の問題点だったのではないでしょうか?

2022年夏から湘北メンバーのカッコいいポスターが全国の映画館で展示され始めたことや正式な公開日も発表されたことで多くのスラムダンクファンたちを熱狂させました。
さらに、その後からは桜木たちのポスターイラストによるムビチケカードを販売後(すぐに完売したらしいです)になってから声優変更の発表をしたことが大きな原因とも考えられます。
仮に既に購入したムビチケカードをキャンセルできたとしても、自分の大好きなキャラクター達のカードを返さなければならないことに対する抵抗感で払戻しに踏み切れないファンも多いらしいです。

ちなみに劇場版で桜木花道の声を担当される木村昴さんのお話でも、ご自身のキャスティングが2年前の時点で知らされていた」とも仰ってましたからね。

このような発表時期の遅さにおける理由も色々な案が持ち上げられていますが、製作陣にとっては公開を待ち焦がれているファンたちをアッと驚かせたかったのではないかとも考えられます。
しかし実際にそうだったとしても、せめて公開日の発表時ムビチケカード販売する前の時点「湘北メンバー5人の声優は変更されます」とだけでも発表するべきだったと思います。

旧作ファンたちの思い入れが強かったため

このような声優変更や発表時期に強く抗議したファンたちは90年代にTVアニメをリアタイで楽しんでいた世代の方々が多いです。
毎週楽しんで観続けてきた人たちにとっては旧作での桜木や流川の声が頭に強く焼きついているわけですし、新作劇場版からの新たな声優さん方の声に馴染めないようです。

特に桜木のキャスティングに不満を抱く人も多く「桜木の声が合っていない」と断言された方も多かったです。
しかし私の中ではそこまで酷いとも感じられません。
確かに少し違和感はあるものの、木村さんといえば『ドラえもん』のジャイアン役で有名な方ですし、原作でもムードメーカーとしてメンバーを引っ張ってきた桜木のイメージとも合っている感もあります。

新作映画でなくTVアニメとしてリメイクするべきだった

ここ近年で90年代にヒットしたジャンプ作品のリメイクが続いていますが『スラムダンク』も声優陣を一新するなら、いきなり映画や続きの山王戦ではなく、せめてTVアニメとして原作1話からリメイクするべきだったとも考えられます。

『ダイの大冒険』や『るろうに剣心』の新作TVアニメも、原作1話からしっかりと作り直す形でリメイクしたからこそ声優陣の変更に対しても「仕方ない」と割り切れたのです。
しかし映画となると、公開開始時は劇場でお金を払わないと観られないわけですし、お金はたいてムビチケカードを複数枚も購入したファンたちが怒るのも仕方ありません。

完全に映画として制作するなら『エヴァ新劇場版』のように原作1話から“再構築”する形で作り直した方が旧作ファンからも納得されていたのではないでしょうか?
その場合だと、四部作では絶対に足りなくなりますが、それでも『スラムダンク』なら10部作もの膨大なシリーズ数になったとしても最後まで見届けようとも思えるはずです。

劇場版アニメで声優陣が変更された理由や事情とは

声優陣の変更に対する抗議の内容が長くなりましたが、ここからは「劇場版アニメで声優陣が変更された理由や事情」について考えてみます。

原作者(井上先生)が語る「新たなスラムダンク」のため

劇場版の声優変更された理由として最も大きいのは原作者である井上雄彦先生が監督を務められることや、ご自身のTwitter内で語られていた「新たなスラムダンクの形」だと思います。

井上先生は「初めての人も旧作からのファンも新たな気持ちで楽しめるスラムダンクを」という方針で制作に励んでいたことを考えると、今回のキャスト一新にも何となく説得感も感じられますよね。

ただ、それならやはり原作1話からリメイクしてほしいと考えてしまうのが原作や旧作ファンの性というものですが・・・
そこまで求めてしまうのは、やはり贅沢というものでしょうか。

旧作アニメの声優さん達が出演を辞退された可能性も高い

劇場版の声優変更においては「旧作アニメで活躍された声優さん達から出演を辞退された可能性」も考えられます。

確かに旧作アニメで出演されていた声優さん達も90年代から2020年代という20年もの年月が経過した中で、ご自身の声質が大きく変わってしまった人も多いはずです。

ここで、TVアニメで湘北メンバーの声を担当されていた現在の声優さん方の今の年齢も見ておきましょう。

声優名とキャラ名 現在(2022年)の年齢
草尾毅さん(桜木役) 56歳
緑川光さん(流川役) 54歳
梁田清之さん(赤木役) 57歳
塩屋翼さん(リョータ役) 64歳
置鮎龍太郎さん(三井役) 52歳

90年代では『スラムダンク』を始めとして多くのアニメ作品への出演で大活躍されてきた当時の声優さん方も今では50〜60代になっており、ご自身の現在の年齢で高校生の元気な声を出すことも大変なのではないでしょうか?
緑川さんや置鮎さん、そして草尾さんは現在も現役で活動中ですが、出演する作品数などは確実に旧作アニメの頃よりも減少しています。

おそらく、劇場版が決まった時点で監督や原作者からのオファーもあったかもしれません。
しかし、ご本人たちが今の年齢や声質の変化なども見た上で出演を辞退された可能性も高いですね。

まとめ

今回は『スラムダンク』劇場版での声優陣の変更や炎上した理由について考察してみました。

確かにこのような変更は、原作や旧作アニメをリアタイで堪能していた人ほど辛いものかもしれません。
それでも声優が変更したという理由だけで観に行くことをやめるのは非常にもったい話です。

完全なキャスト一新をした中でも『ダイの大冒険』新作アニメが大成功した例もありますし、井上先生が仰る「新たな形のスラムダンク」を一度は自分の肉眼で確認すべきだと思います。